深刻な介護職不足とその影響
2025年には介護職の人材不足に拍車
介護職の人材不足は慢性的な問題となっていますが、厚生労働省は、2017年の時点で12万人不足している介護職員が、2025年には38万人も不足すると発表しました。高齢化する日本で、2025年は重要な年です。第一次ベビーブームの方々が75歳以上になるのです。いわゆる「団塊の世代」。つまり、高齢者の人口が急増すると予想されます。
少子高齢化が進むにつれて、介護の必要な方が増えるのに対し、介護を担う方が減ってくるのです。現時点でも、介護施設では人材の採用に対する悩みが絶えません。これから先、ますます人材を確保するのが困難になってきます。誰もが年を取る以上、介護は避けて通れない問題です。そして、これは施設だけの問題ではなく、国民全体が考えなくてはいけない課題なのです。
介護職の定着が不安定に
介護職員は、年々不足していくと予想されています。これは、とても深刻な問題です。介護職員不足が及ぼす様々な影響について考えてみましょう。
まず、介護職員が不足すれば、1人でやらなくてはいけない仕事が増えます。すると、1人でたくさんの方を介護しなければいけません。介護を受ける側のニーズは人それぞれ多様ですが、その多様なニーズに合わせて介護することが難しくなり、介護を受ける側の生活の「質」が低下する可能性が出てきます。
また、介護職は重労働だと言われていますが、人材が不足すると、1人当たりの労働量が増えることは目に見えています。勤務超過や、深夜労働、休日出勤といった無理が続き、仕事を長く続けることが難しくなってくるでしょう。
介護職の低賃金についても、厚生労働省の調査で、介護職の月平均賃金は、他の業種と比べて10万円も低いという結果が出ています。重労働、低賃金と厳しい労働条件が重なると、介護職の採用がますます困難になってくることが予想されます。
介護職自体の高齢化
介護職での採用が減る。結果、施設で働く人材が減る。そうなると、介護職の高齢化が問題になります。そもそも少子高齢化で、若者の数が少ない上に、厳しい労働条件が続くと、ますます若い人材の確保が難しくなってきます。介護職員の年齢も高齢化し、施設での老老介護が目立つようになります。
老老介護を防ぐため、若い人材の確保が重要になってきますが、全ての施設が良い条件を提示できるわけではありません。職員にある程度の賃金や良い条件を保障できるのは、大手のチェーン施設か、入居者の金銭的な負担の大きい介護施設になります。経済的に余裕のある層は十分な介護を受けられますが、そのような施設に入居できない方々は、介護の「質」の低い施設しか利用できないことになり、ますます格差が進んでいくという問題が出てくるでしょう。
このように、介護職員の不足が原因で、介護職員、施設、施設利用者に様々な影響を与え、引いては社会問題にまで発展していくことが分かります。
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